ペーパーフィルターとは
ハンドドリップする際に欠かせないコーヒー道具の一つがコーヒーフィルターです。コーヒーフィルターの素材や材質は大きく3種類に分けることができます。
- ペーパー
- 金属
- ネル(布)
今回は美味しいコーヒーを飲むためのペーパーフィルターについて掘り下げてみます。
1.ペーパーフィルターとは
紙製のフィルターのこと。カタチは2種類あり台形型とハリオやコーノが販売している円錐型がある。ドリップする際に使うフィルターとしては最もペーパーが普及している。
フィルターの役割
そもそもフィルターは何のために使うのでしょうか?コーヒーを抽出するためですよね。正確に言うと、コーヒー豆を挽いた粉にお湯を注ぐことで溶け出した成分を濾過して、コーヒーを抽出するためになります。もしフィルターがなかったら、コーヒー豆の粉がコップの中に入り非常に飲みづらくなります(笑)。どんなフィルターを使って濾過するかで、コーヒーの味わいにも変化が生じます。
形の違い
コーヒーフィルターの形は大きく2種類。台形型と円錐型。
台形型と円錐型で、コーヒーの味は変わるのか?
結論から言うと、変わります。しかしそれはペーパーフィルターよりもドリッパーの違いによるところが大きいです。ペーパーフィルターはそのドリッパーに合わせた形状をしているに過ぎないので。どのように味が変わるのか?詳しく知りたい方は「コーヒードリッパー円錐と台形の違い」をご覧ください。
色の違い
色は2種類あり、白か茶色。この色の違いは漂白されているかいないか。漂白されているフィルターが白くなる。
色の違いで、コーヒーの味は変わるのか?
変わりません。抽出された成分を科学的に調べたら何かしら変わっているのかもしれませんが、私がコーヒーを飲んだときにその違いは感じ取れませんでした。感じられた人がいたら凄い味覚の持ち主だと思います(笑)。
ただし、1点わずかに変わる部分があります。それが香りです。ホワイトに比べてブラウンの方が、紙のニオイを微妙に感じる気がします。茶色という視覚による効果なのかな?と思いましたが、目をつぶって飲み比べて見ても、ほんの僅かですが香りに気づきました。しかし、嗅覚を研ぎすませて飲むことはあまりないので、普通に飲んでそこまで気になりません。
どちらの色を使うのも好みですが、私はちょっと使い分けています。
休憩のタイミングなどコーヒーに癒やしを求めている場合は「茶色」のフィルターを使います。自然を感じる色なので、癒やし度を高めたいという目的です。
逆に集中したいときにコーヒーを飲む場合は「白」のフィルターを使います。フィルターの白とコーヒーの黒で、集中というイメージを強化したいという目的です。
単なる「色」ですが、色彩心理学という分野があるくらい、色は人に影響を与えます。結構馬鹿にできません。コーヒーをビジネスツールとして活用する場合は、その辺も意識すると、さらにコーヒーの効果を実感できると思います。
漂白するなんてカラダに悪いのでは?
安心してください。今の技術力は本当に凄いもので、漂白技術の進化により体に無害「酸素漂白」という漂白技術で漂白しています。私達が毎日吸っている酸素なので、体に悪影響を及ぼすことはないとされています。
しかし、どんなものでも科学技術は嫌いだ!自然な方が良い!という場合であれば、茶色のフィルターを使うとより安心でしょう。
メーカーの違い
ペーパーフィルターを販売している販売元はたくさんあります。代表的なコーヒーメーカーでは、メリタ、カリタ、ハリオ、コーノなどが挙げられますが、それ以外にも販売している会社はあります。今では100円ショップでも売られているくらいです。
さて、ペーパーフィルターはメーカーによって違いがあるのでしょうか?
あります。ペーパーの品質が異なります。安価なペーパーと、コーヒーメーカーが販売しているペーパーでは味に違いが出ます。なぜ味が違ってくるのか?それは紙の繊維による隙間の問題でした。品質が高いペーパーでは繊維が細かいですが、品質が低いペーパーになると、繊維が荒くなります。それにより抽出されるコーヒーの味が変わるというわけです。
この違いは見た目でも分かるくらいです。安価のフィルターの方がスキマが大きく透けている感じがします。味も違います。私が飲み比べたときに感じたのは、安いペーパーフィルターでは「味が薄め」でした。なぜなのか?調べてみたところ、下記のような理由が分かりました。
たとえば、繊維が細かいとお湯が落ちる量は少なく、ゆっくりとコーヒー成分を抽出できます。しかし、繊維が荒いとお湯が落ちる量も多くなり、抽出スピードが早くなります。つまり隙間が大きいことでコーヒー成分を十分に抽出する前にお湯が落ちてしまい、結果薄味になるということです。
ドリッパーと合わせる
ここで美味しいコーヒーを淹れる秘訣を一つ。
それは「ドリッパーとペーパーフィルターのメーカーを同じにする」ことです。
メリタのドリッパーを使っているなら、メリタが発売しているペーパーフィルターを使う。カリタならカリタ。ハリオならハリオ。たったこれだけでコーヒーが美味しくなります。なぜならどのメーカーも、美味しいコーヒーを抽出するための研究を重ねており、ドリッパーに合ったペーパーフィルターの研究もしているからです。ドリッパーとフィルターがセットで、各メーカーが本当に提供したい美味しいコーヒーが飲めるというわけです。
「本当に味にそんな違いが出るの?」
と思っているならば、ぜひ一度、フィルターを変えて飲み比べてみてください。味に敏感な人なら分かると思います。
ペーパーフィルターで抽出されるコーヒーの味
ペーパーフィルターを使って淹れたコーヒーはどんな味わいになるのでしょうか?ペーパーフィルターの品質や構造によって、味は変わりますが、ここでは金属フィルターや陶器フィルターと比較した場合の、大まかなペーパーフィルターの味について紹介します。
「スッキリした味わい」
これが最も分かりやすい味の表現だと思います。なぜ、ペーパーだとスッキリした味わいになるのか?それはペーパーがコーヒーオイルを吸着するから、コーヒー粉が邪魔をしてコーヒーオイルが落ちてこないからだと言われています。コーヒーオイルとはコーヒーの油分で、コーヒーを淹れたときに、表面にうっすらと浮いている油のことです。このコーヒーオイルが少ないのでスッキリした味わいとなります。また、雑味もなく飲みやすくなります。
コーヒーオイルを楽しむには
フレンチプレスでコーヒーを抽出すると、コーヒーオイルがたっぷり抽出されます。フレンチプレスではペーパーフィルターのようにコーヒー成分を濾過するのではなく、ダイレクトにコーヒー粉をお湯に浸すので、コーヒーオイルもダイレクトに抽出されるというわけです。その分、雑味などの成分も抽出されてやすくなります。
このように、コーヒーを抽出するための道具によっても、その味わいが変わってきます。自分だけのこだわりの一杯を淹れるために、フィルターにもこだわってみるとあらたな珈琲の楽しみ方ができると思います。
それでは、よい珈琲タイムを!