コーヒー冷蔵庫と冷凍庫保存方法

コーヒー保存方法 コーヒー基礎知識

コーヒーの冷蔵冷凍保存

挽いたコーヒー豆や豆そのままを購入した場合、冷蔵庫や冷凍庫を使って保存をした方が良いという話を聞いたことはありませんか?

そもそもコーヒーは何のために保存が必要なのでしょうか?

コーヒーには鮮度があります。焙煎直後から生じる酸化によって、鮮度はどんどん落ちていきます。酸化により風味や味に影響が与えられ、品質が劣化していくわけです。つまり、コーヒーの保存理由の一つとして酸化を防ぎ鮮度を長持ちさせるために必要になります。

さらに、酸化の他にコーヒーの劣化を進めてしまう原因があります。

それが「高温多湿」「直射日光」です。

日本の夏といえば、まさに高温多湿ですよね。例えば真夏の密室で、コーヒーを長い間置いておくと劣化するということです。また、直射日光が差し込む窓際に、コーヒーを瓶に入れてインテリア風に保存をするのも劣化が進みます。

コーヒーに限らず、ほとんどの食品で保存方法として「高温多湿を避け、直射日光の当たらない暗所で保存してください」という表記を見たことがあると思います。コーヒーもそれに従って保存するのがベストです。

3つの保存環境

コーヒー豆の保存環境は大きく3つに分けることができます。

  1. 常温保存
  2. 冷蔵保存
  3. 冷凍保存

どれで保存すれば良いの?と思うかもしれませんね。最も分かりやすい選び方は、コーヒーを飲み終わる期間で分けるという方法があります。もちろん、直射日光が当たらない暗所に保存されていることが前提です。

常温保存は数日〜2週間

夏と冬で保存期間は変わります。夏のほうが早く劣化しやすくなります。さらに、挽いた豆と豆そのままの状態でも変わります。挽いた豆の方がより劣化が進みやすくなります。

  • 夏場
    挽いたコーヒー豆を購入し、数日(3日〜5日程度)で飲み終わる
    豆のそのままの状態で購入し、1週間程度で飲み終わる
  • 冬場
    挽いたコーヒー豆を購入し、コーヒーを購入し1週間程度で飲み終わる
    豆のそのままの状態で購入し、2週間程度で飲み終わるの

冷蔵保存は2週間〜1ヶ月

挽いた豆:2週間程度で飲み終わる
豆のそのまま:1ヶ月程度で飲み終わる

冷蔵保存は1ヶ月〜2ヶ月

挽いた豆:1ヶ月程度で飲み終わる
豆のそのまま:2ヶ月程度で飲み終わる

以上のように、飲み終わる期間を指標として、保存方法を選ぶと分かりやすいでしょう。

冷蔵・冷凍庫で保存する注意点

冷蔵や冷凍で保存するにはいくつかの注意点があります。

1.ニオイが移る

冷蔵庫には様々な食品が食品が入っています。その中に密封せずにコーヒーを入れておくと、食品のニオイがコーヒーに移ります。コーヒーの香りが失われ、風味が損なわれます。冷蔵庫の風味のコーヒーなんて飲みたくないですよね(笑)。ニオイが移らないように外気が入らない容器や袋に入れて保存するようにしましょう。

2.温度変化で劣化してしまう

冷蔵庫や冷凍庫からコーヒーを飲む度に出し入れを繰り返すと、その温度変化によって劣化が進んでしまいます。そのため、飲む分だけを事前に小分けしておいて保存するようにしましょう。とは言うものの、これがかなり面倒なんですよね(苦笑)。なので当店のコーヒーは1杯分ずつの小分けにしています。

3.結露による劣化

今までの話から、とりあえず冷凍保存すれば良いのでは?と思っていたなら鋭いですね!冷蔵のニオイ移りを防止するなら、冷凍にしてしまったほうが良いのは確かです。

しかし、冷凍保存で怖いのが結露です。コーヒーを劣化させる要因として「水分」があります。コーヒー豆が結露すると水分を含み劣化がより早く進みます。結露は冷凍庫の温度と外の温度との差で生じます。冷蔵庫よりも温度が低いので結露の可能性はより高まります。

もし、コーヒーを飲む時に冷凍庫から豆を取り出して、のんびりと飲む分量を量るなどして、外に出している時間が長くなればなるほど、結露によって豆が劣化してしまいます。そのため、飲む分だけ事前に小分けすることがより大事になってきます。

冷凍庫で保存して凍らないの?

通常、食品を冷凍庫に保存するとカチカチに凍りますよね。しかし、珈琲豆に含まれている水分は1%以下なので、凍る心配はありません。よって、解凍をする必要はありません。むしろ解凍をすると結露し、劣化が進みます。すぐに飲みましょう。

結局冷凍保存が一番!?

今までの話から、保存には冷凍保存が一番良いように思えますが、大きく2つの問題があります。

  1. 小分けにするのが面倒
  2. 温度が低くなる

温度が低くなるについてですが、冷凍庫で豆を保存していると、当たり前ですが豆が冷たくなります。それを解凍しようとすると結露が生じてしまいます。よって、冷凍庫から出したらすぐにコーヒーを淹れるわけですが、豆の温度が低いので、淹れた後のコーヒーの温度が低くなります。これが、私が全力で冷凍保存をオススメできない理由でもあります。

あらたな日、あらたな珈琲。がオススメする保存法

やはり一番オススメなのは、早く飲みきれる分だけを購入して、常温保存でしておくことだと思います。なるべく暗所で涼しい場所において保存しておくことで、ニオイ移りや結露などを心配する必要もなく、簡単で楽だからです。

そのため当店では50杯や60杯などの大量販売はしておらず、8杯分からの販売をしています。さらに、常温保存でも優秀なアロマキープパックを採用しています。これは、袋の中の空気を外に排出しますが、外気を通さない仕組みになっているコーヒー専用の袋です。

より美味しいコーヒーの飲むポイントは「焙煎後、何週間も保存し続けるのではなく、なるべく早く飲むこと」です。鮮度を大切に考えた場合、保存よりも早く飲んであげることが大事なのではないかと考えています。

それでは、コーヒーが劣化しないうちに今日も美味しいコーヒーを飲みましょう!