コーヒー豆の等級(格付け)とは

等級 コーヒー基礎知識

コーヒー豆のグレード

コーヒー豆は産地によって格付けされ、等級が決定されています。等級とはグレードのことで、グレードが高い豆ほど良質とされ、価格も高くなります。

今回はコーヒー豆のグレードがどのように決定されているのかを詳しく見てみましょう。

コーヒー豆の等級を決める要素

等級が決められる評価項目は大きく下記の4つに分けられます。しかし、全てが評価基準になるわけではなく、この4つの中から欠点豆とスクリーンサイズで等級を決めていたり、欠点豆のみを評価基準にしていたりと、生産国によって評価基準は異なります。

  1. 欠点豆
  2. スクリーンサイズ
  3. 栽培地の標高

1.欠点豆

コーヒー豆の品質を評価します。虫に食われた痕があったり、傷が付いていたり、割れていたり、未熟な豆などが欠点豆とされます。欠点豆が混入するとコーヒーの香りや風味を損ねる可能性が高くなります。この欠点豆がどのくらいあるかが格付けの基準になります。

喫茶店やカフェなどでは、コーヒーが提供される前に、ハンドピックと呼ばれる作業によって、欠点豆が取り除かれています。

2.スクリーンサイズ

コーヒー豆の大きさを基準に評価されます。豆の種類や産地によって大きさも異なるため、大きさの基準は各生産国によって微妙に異なります。

スクリーンサイズについてより詳しくまとめた記事がありますので、詳細を知りたい方は下記をご覧ください。

スクリーンサイズとは

3.味

コーヒー豆の味わいで評価されます。カップテストと呼ばれ、鑑定士が味を評価します。たとえば、ブラジルでは、下記のような味わいのグレードがあります。

Stricity Soft ストリクトリー・ソフト
Soft ソフト
Hard ハード
Rioy リオイ
Rio リオ

最も高い格付けが「ストリクトリー・ソフト」になります。口に含んだ時に感じる刺激や渋みがなく、口当たりが柔らかで滑らかなコーヒーほどグレードが上がります。逆に、不快な刺激や渋みを感じる味わいほど、グレードが下がります。

ただしコーヒーの味覚については、人それぞれ感じ方も違うので、グレードが高いからと言って必ずしも美味しいというわけではありません。あくまでコーヒーを選ぶ基準の1つとして考えましょう。

徹底的に味覚にこだわる場合は「スペシャルティコーヒー」がオススメです。日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)により、コーヒー豆の品質から美味しさまでの厳しい判定基準が設けられました。その基準を満たしたコーヒー豆が「スペシャルティーコーヒー」と名乗ることができます。そのため、美味しいコーヒーを追求したい人はスペシャルティーコーヒーを飲んでみると良いでしょう。どんな判定基準が設けられているのか?スペシャルティコーヒーについてのより詳しい説明は下記をご覧ください。

スペシャルティコーヒーとは

4.栽培地の標高

コーヒー豆が栽培されている標高が評価されます。基本的に標高が高いほど、昼夜の寒暖差が大きく、コーヒーの実がギュッと締り、美味しさが凝縮されます。それにより酸味や風味を感じやすくなるためグレードが高くなります。

たとえば、グアテマラの格付けを例に見てみましょう。標高の高さはおおよそになります。

SHB Strictry Hard Bean(ストリクトリー・ハード・ビーン) 標高1350m以上
HB Hard Bean(ハード・ビーン) 標高1200m以上1350m
SHB Semi Hard Bean(セミ・ハード・ビーン) 標高1050m以上1200m
EPW Extra Prime Washed(エクストラ・プレミアム・ウォッシュト) 標高900m以上1050m
PW Prime Washed(プレミアム・ウォッシュト) 標高750m以上900m
EGW Extra Good Washed(エクストラ・グッド・ウォッシュト) 標高600m以上750m
GW Good Washed(グッド・ウォッシュト) 標高600m以下

ちなみに標高が低いところで栽培されているコーヒー豆は、酸味よりも苦味を感じる傾向が強くなります。

等級の表記例

では、実際にコーヒー豆の銘柄でどのように等級が表記されているのか、見てみましょう。下記のように名前の後ろに等級が表記されています。

  • グアテマラSHB
    SHBが等級の表記になります。ストリクトリー・ハード・ビーンなので、標高が高いところで栽培された最上級のグレードであることが分かりますね。
  • ブラジルNo.2
    No.2が等級の表記になります。ブラジルでは、欠点豆・スクリーンサイズ・味(カップ)の3つの要素により等級が決められます。No.2は最上級になります。ブラジルにはNo.1はありません。コーヒー豆は穀物である以上完璧なものは存在しないという考え方により、あえてNo.1を付けていません。
  • マンデリンG1
    G1が等級の表記になります。マンデリンの格付けは欠点豆の数で評価されます。G1〜G5まであり、G1が最も欠点豆が少なく最上級となります。
  • キリマンジャロAA
    AAが等級の表記になります。スクリーンサイズ(豆の大きさ)によってAA、A、B、Cと格付けされます。AAが最上級となります。

以上のように、コーヒー豆には等級があること、その等級がどのように格付けされているのかを知ることで、販売されているコーヒー豆の名前を見ただけでどのような豆なのか分かるようになります。コーヒー選びの基準になりますね。

コーヒー豆を選ぶ際、等級も確認してみましょう!それでは、よいコーヒー豆選びを!