スペシャルティコーヒーとは

スペシャルティコーヒーとは コーヒー基礎知識

もし、あなたが「スペシャルティコーヒーって何?美味しいコーヒーかな?」という印象を持っているなら、この記事を読んでスペシャルティコーヒーを理解することで、印象が変わるでしょう。実はかなり凄いコーヒーなんだなと…

スペシャルティコーヒーの定義

日本スペシャルティコーヒー協会が定めた定義には、こう書かれています。
一般社団法人日本スペシャルティコーヒー協会より

「消費者(コーヒーを飲む人)の手に持つカップの中のコーヒーの液体の風味が素晴らしい美味しさであり、消費者が美味しいと評価して満足するコーヒーであること。」

風味が素晴らしくて飲んだ人が美味しいと満足するコーヒーということですね。

「風味の素晴らしいコーヒーの美味しさとは、際立つ印象的な風味特性があり、爽やかな明るい酸味特性があり、持続するコーヒー感が甘さの感覚で消えていくこと。」

風味が豊かで、明るい酸味があり、後味に甘さを感じるということでしょうか。

「カップの中の風味が素晴らしい美味しさであるためには、コーヒーの豆(種子)からカップまでの総ての段階において一貫した体制・工程・品質管理が徹底していることが必須である。具体的には、生産国においての栽培管理、収穫、生産処理、選別そして品質管理が適正になされ、欠点豆の混入が極めて少ない生豆であること。そして、適切な輸送と保管により、劣化のない状態で焙煎されて、欠点豆の混入が見られない焙煎豆であること。さらに、適切な抽出がなされ、カップに生産地の特徴的な素晴らしい風味特性が表現されることが求められる。」

栽培から品質管理が徹底されているということですね。それにより欠点豆の混入が焙煎豆ではないことが条件のようです。

けっこう抽象的な定義ですが、一言でいうと「品質管理が徹底されて風味が素晴らしい美味しいコーヒー」と解釈できます。

では、どのようなコーヒー豆がスペシャルティコーヒーとなるのでしょうか?それには、7つの判定基準が設けられています。

スペシャルティコーヒー判定基準

日本スペシャルティコーヒー協会の7つの判定基準をそれぞれ見てみましょう。

スペシャルティコーヒーの基準

1.カップ・クォリティのきれいさ

カップのきれいさとは「汚れ」又は「風味の欠点・瑕疵」が全く無い事。コーヒーの栽培地特性「Terroir」がはっきりと表現されるために必須な透明性があること。

カップとはコーヒーを入れるコップのことではなく、コーヒーのことを指しています。コーヒー豆に汚れがなく、風味の欠点や傷がなく、きれいであることで評価されます。また、Terroirとは「土地」を意味する言葉です。

2.甘さ

コーヒーのチェリーが収穫された時点で、熟度が良く、且つ熟度がどれほど均一であったかに直接関係する甘さの感覚。甘さとは、焙煎されたコーヒーに含まれる糖分の量が絶対的なものではなく、甘さの印象度を創造する他の成分・要素との結合にも依存する。

糖分による甘みを感じる度合だけで評価されるわけではないということですね。甘さの印象度も重要です。

3. 酸味の特徴評価

コーヒーが如何に明るさを持つか。明るい爽やかな、あるいは繊細な酸味がどれ程であるかが評価対象。酸度の強さではなく、酸の質について評価をする。

きつ過ぎる酸味や不快感を与えるような酸味ではなく、質の高い酸味ということです。

4. 口に含んだ質感

口に含んだ質感には、粘り気、密度、濃さ、重さ、舌触りの滑らかさ、収斂性感触などの感覚・触覚が含まれる。質感の品質を評価せねばならない。

コーヒーが口に含まれた際の、質感の良さを評価するということですね。

5. 風味特性・風味のプロフィール

スペシャルティコーヒーと一般のコーヒーを区別する最も重要な項目。味覚と嗅覚の組み合わせ。コーヒーが一般的なプロフィールしか持っていないのか、あるいは栽培地の地域特性―Terroir が純正に表現できているかを明確に評価する。

コーヒーのプロフィールが一般的ではなく、栽培地の特性が表現されているかどうかで評価するということ。つまりよくある普通のコーヒーではダメということですね。

6. 後味の印象度

コーヒーを飲み込んだ後の「口に残るコーヒー感」が、甘さの感覚で消えて行くのか、あるいは、刺激的な嫌な感覚がにじみ出てくるのかを判定する。

コーヒーを飲んだ後の余韻が、甘さの感覚で消えていくと評価されるということですね。

7. バランス

コーヒーは風味の調和が取れているのか? 何か突出するものは無いか? 何か欠けているものは無いか?

風味のバランスが良いコーヒーが評価されるということですね。

以上、7つの判定基準をクリアすることで「スペシャルティコーヒー」と名乗れるということです。これだけの基準をクリアしているなんて、スペシャルティコーヒーに対する印象が少し変わりませんか?飲んでみたい!と思いますよね。

今では、スペシャルティーコーヒーを専門で販売しているお店や、喫茶店やカフェでもメニューとして提供するお店が増えてきています。スペシャルティーコーヒーを飲む際は、その裏では厳しい審査があったことを思い出して飲むと、より美味しく味わえるかもしれません。

値段も一般的なコーヒーに比べると高めですが「高品質のコーヒーが飲みたい!」という時にはお勧めです。種類もたくさんあるので、あなたのお気に入りのスペシャルティコーヒーを探してみるのも、あらたな珈琲ライフの楽しみになりますね。