コーヒーとリラックス
「コーヒーを飲むとリラックスする」と感じるのはなぜなのでしょうか?何がリラックスをもたらしているのか?本当にリラックス効果があるのか?今回はコーヒーのリラックス効果について掘り下げたいと思います。
コーヒーの香りによるリラックス効果
喫茶店やコーヒー専門店に行く目的は「休憩するため」「のんびり時間を過ごすため」「癒されるため」などの理由が多いのではないでしょうか?それは全てリラックスにつながりますよね。では、なぜ喫茶店などはリラックスできるのか?
まずは雰囲気や照明など、お店の空間自体がリラックスできるように作られているというのがありますね。ちょっと薄暗い店内で、白熱電球の温かいオレンジ色の光…リラックスできますよね。
そしてもう一つが「香り」なのではないでしょうか?コーヒーの香り好きですか?この記事を読んでいるということは、きっとコーヒー好きだと思うので、コーヒーの香りが好きな人も多いのではないでしょうか?コーヒーの香りは本当にいい気分にさせてくれます。
しかし、コーヒーの香りでリラックスしたいい気分になるのは、果たして科学的に根拠があるのでしょうか?単に錯覚でそう感じているだけなのでしょうか?
コーヒーの香りがα波を増加
α波とは、リラックスしているとき・落ち着いているとき・集中しているときに出るとされている脳波です。
杏林大学の古賀良彦教授が行った香りの実験がありました。どんな実験かというと「コーヒー粉末、レモン油、蒸留水の香りをそれぞれ嗅いで、α波を測定する」というものです。その結果、コーヒーの香りを嗅いたときが最もα波が出ました。
つまり、コーヒーの香りが脳に影響を与えたということです。しかも、リラックスしているときに出るα波が出現するということは、喫茶店などのコーヒーの香りで癒やされるのは錯覚ではないということになりますね。
カフェインによるリラックス効果
カフェインの効果というと「覚醒効果」が有名です。リラックス効果となるとその真逆の効果のように見えます。本当にカフェインにリラックス効果はあるのでしょうか?
中村学園大学の青峰正裕教授のストレス実験がありました。実験内容は「ラットを動けないように拘束しストレスを与えました。その後拘束をといて解放したときのストレス反応を測定。再び拘束しストレスを与えましたが、今度は拘束する前に、生理食塩水・コーヒー・カフェイン・クロロゲン酸を投与しました。そして同じように拘束をといて解放し、ストレス反応を測定。」という実験です。
その結果…ストレス反応に変化がありました。
- クロロゲン酸ではほとんど変化なし
- 生理的食塩水では15%減少
- コーヒーでは63%減少
- カフェインでは66%減少
このようにコーヒーとカフェインで大きくストレスが減少したという結果になりました。これによりコーヒーに含まれるカフェインにはストレス緩和の作用があるということが分かりました。ストレスが緩和されるということはリラックスにつながるというわけです。
この2つの研究結果は、コーヒーにはリラックス効果があるという根拠になるのではないでしょうか。
覚醒とリラックス効果の関係性は?
疑問が1つ。覚醒とリラックスは相反するものではないのか?
これについては相反してはいないと思います。なぜならば、α波はリラックスしているときだけではなく「集中しているとき」にも出るからです。集中しているときは覚醒状態ですよね?覚醒しながらリラックスして物事に取り組んでいる状態が理想の集中状態だと思います。
つまり「理想の集中状態=覚醒+リラックス」と言えるのではないでしょうか。そしてコーヒーにはその理想の集中状態を作り出す効果が期待できるというわけです。
仕事へのコーヒー活用
コーヒーによるリラックス効果は仕事にも大いに役立つと言えます。特に休憩時間にコーヒーを飲んでリラックスすることは、休憩後の仕事のパフォーマンスに好影響を与えることになります。
休憩時間にコーヒーの香りで癒やされリラックスする。
休憩後にはカフェインの効果で集中して仕事に取り掛かることができる。
やはりコーヒーは素晴らしいビジネスツールとなりますね!なんとなく飲んでいるだけでは、勿体ないです。上手くコーヒーをビジネスに取り入れていきましょう!
それでは、今日もコーヒーと共によい一日を!