コーヒーと水

水とコーヒー コーヒーの味

コーヒーは水の種類で味が変わるのか?

変わります。

そもそも水の種類は、どんな種類に分けられるのか?4タイプの水を紹介します。

PH値で分ける

まず指標となるのがPH値です。小学校の理科の授業でリトマス試験紙に液体を垂らして色が変わる実験をしたことを覚えていますか?あれは、PH値を測る実験でした。

水も種類によってPH値が異なります。PH値は低くければ酸性、PH値は高ければアルカリ性になります。

アルカリ性に近い水で淹れたコーヒーの味

アルカリ性の水によって、コーヒーの酸味が和らぎます。逆に苦味が強調されるので、酸味の少ない苦めのコーヒーに仕上がります。深煎りの珈琲豆やエスプレッソにはPH値が高いアルカリ性に近い水が合います

酸性に近い水で淹れたコーヒーの味

アルカリ水のように、コーヒーの酸味を和らげることがないので、コーヒーの持つ酸味を味わいやすくなります。浅煎りや中煎りの珈琲豆はもちろん、深煎りでも合います。ただし、酸性に近い水といっても実際はPH7以下の水は販売数が少ないので、PH7前後であればどんな珈琲豆に使っても、苦味が強調され過ぎることはありません。

ミネラルで分ける

軟水と硬水という水の種類を聞いたことはありませんか?水に含まれるミネラル(マグネシウムとカルシウム)の含有量でどちらに分類されるか決められます。マグネシウムとカルシウムの含有量を表した数値を硬度と言います。

日本では硬度100mg/l以下が「軟水」。硬度101mg/l以上が「硬水」と分類されています。

ただし、WHO(世界保健機構)の基準では下記のように分類されています。

軟水 硬度60mg/未満
中程度の軟水 硬度60mg/以上120mg/未満
硬水 硬度120mg/以上180mg/未満
非常に高い硬水 硬度180mg/以上

軟水で淹れたコーヒーの味

クセがなく、柔らかいまろやかな味わいになります。コーヒーが本来持っている味わいに影響を与えないので、ハンドドリップで淹れる際には、軟水を使うのがオススメです。

硬水で淹れたコーヒーの味

マグネシウムとカルシウムが多いので、独特の苦みを感じるのが硬水の特徴です。コーヒーの苦味をより強調させるのでエスプレッソにオススメです。また軟水はサラサラとのど越しよく飲めるのに対し、硬水はのど越しが悪く喉に引っかかるような若干飲みづらさを感じます。

 

日本で販売されている水

コーヒー用に水を買いたいと思った時に、水の種類を見分けるにはどうしたら良いでしょうか?

答えは簡単で水の表記ラベルをみることで、簡単に見分けることができます。

PH値で酸性かアルカリ性か見分ける

基準として、PH7より数値が高ければアルカリ性に近く、低ければ酸性に近くなります。ペットボトルにPH7.8と表記されていれば、アルカリ性に近い水だと見極めることができます。

硬度で軟水か硬水か見分ける

軟水・硬水と書かれている場合もありますし、硬度42mg/Lと書いてあれば100以下なので軟水と見分けることができます。

水の種類を見てみよう

実際に日本で販売されている水の種類を見てみましょう。商品ごとに販売ページにリンクを貼ったので、それぞれの硬度とPH値を実際に目で見て確かめてみましょう。

アルカリ性の水

キリン アルカリイオンの水 PET (2L×9本) 財宝 天然 アルカリ 温泉水 500ml×25本
pH値: 8.8~9.4 (アルカリ性) pH値: 8.9 (アルカリ性)

酸性の水

コカ・コーラ 森の水だより 富山の天然水 2000ml PET 12本 (2ケースセット) 超軟水ミネラルウォーター 久米島の天然水 久米島の自然水 500ml×48本(24本×2ケース/2箱)
pH値: 6.9 (酸性) pH値: 6.4 (酸性)

軟水の水

サントリー 天然水(南アルプス) (2L×6本)×2箱 クリスタルガイザー 500ml×24本
硬度約30mg/L(軟水) 硬度38mg/L(軟水)

硬水の水

伊藤園 evian(エビアン) ミネラルウォーター 1.5L×12本 霧島の福寿鉱泉水(硬水) 500mlペットボトル×30本 天然温泉水 シリカ水(160mg/L)
硬度304mg/L(硬水) 硬度384mg/L(硬水)

 

このように、コーヒーの味に影響を与える水の種類はいろいろあります。水にもこだわることで、より自分の好みの味のコーヒーを作り出すことができます。

さらに、水は奥が深く、PH値と硬度の組み合わせも多種多様です。PH値が高いアルカリ性でも、硬度は低い軟水という水であったり、PH値が低い酸性に近い水でも、硬度が高い硬水の水もあります。

どの水でどんな味のコーヒーに仕上がるのか、水を変えて飲み比べをしてみると、コーヒーのあたらしい楽しみ方ができますよ。