珈琲と鬱病の関係とは
うつ病は、気分障害の一種であり、抑うつ気分、意欲・興味・精神活動の低下、焦燥、食欲低下、不眠、持続する悲しみ・不安などを特徴とした精神障害である。
うつ病の原因
明確な原因はいまだに分かっていませんが、ストレスによって引き起こされるといわれています。ストレスは、生活の中のあらゆる場面で私たちにかかってきます。
- 仕事
過酷な労働、上司部下との人間関係、対クライアントやお客さんとの人間関係、失業や事業の失敗 - 人間関係
仕事での人間関係、家庭での人間関係、恋人・友人との人間関係、孤独、いじめ - 健康
病気、体調不良、怪我、過度な食事制限 - お金
借金、貧困、貸し借り、生活費 - 家庭
結婚、離婚、不倫、子供
一番分かりやすいところでいうと「仕事」ですね。
仕事によるうつ病
社内にカウンセラーがいる企業も増えています。職場でのメンタルヘルスケアとして、カウンセラーに相談することで、うつ病を防ぐことにつながります。
しかし、全ての企業にカウンセラーがいるわけではありません。そうなると、少し「おかしいかな?」と思ったときに自らカウンセリングに行く必要があります。しかし、実際カウンセリングに行く人は少ないのが現状です。
仕事では、過度なストレスがかかりやすくなります。
上司や部下、同僚との人間関係はもちろん、失敗が許されない仕事、神経を使う仕事、売上目標に追われる日々、納期に追われる日々、残業などストレスフリーで行える仕事は、この世の中にほとんどないでしょう。
適度なストレスであれば、仕事の成果も高まりますが、度を超えたストレスになるとうつ病へとつながる可能性が高くなります。
最も怖い自殺
うつ病では、自殺してしまうことがもっとも怖いリスクになります。
そのため企業でもうつ病を予防するためにカウンセラーの採用を積極的に行っています。自殺するなら会社を辞めればいいという意見もあると思いますが、実際当人の立場になってみると、簡単には辞めることができない状況である場合がほとんどです。
そうなると、未然にうつ病を防ぐというのが、効果的な方法ではないでしょうか。
コーヒーがうつ病のリスクを減らす?
コーヒーの効果として「うつ病」のリスクを減らす。という効果を聞いたことがありませんか?
それについては検証がされていて、米国の研究結果では、コーヒーを全く飲まない女性に比べ、1日に2杯以上飲む女性での自殺のリスクが、約60%~70%低下したという結果があるそうです。
フィンランド人男女を対象とした研究では、1日に0~1杯コーヒーを飲む人に比べて、1日に2杯以上8杯未満の人での自殺のリスクが低下傾向を示したそうです。※逆に1日に8杯以上の場合は増加しました。
フィンランドの中年男性を対象とした研究では、コーヒーを全く飲まない男性に比べ、1日に6杯以上飲む人でのうつ病のリスクは、約70%低下していました。
ハーバード大学の研究チームの研究では、毎日2、3杯コーヒーを飲む習慣にある人は、自殺のリスクが約50%減少するという発表がありました。
ハーバード大学の研究では、1日に4杯以上飲む女性は、1杯もしくはそれ以下の女性と比べて、うつ病になるリスクが20%低下したという発表がありました。
このように、研究結果でもうつ病のリスクを減らすという結果が出ています。数値はバラバラですが、共通して言えるのは「うつ病や自殺が低下している」ということです。
では、なぜコーヒーでうつ病のリスクが減るのか?
コーヒーがうつ病のリスクを減らす理由
コーヒーに含まれる「カフェイン」が、中枢神経を刺激することで、ドーパミンなどの神経伝達物質の生成を促すからだと考えられています。
ドーパミンは快楽や意欲、多幸感をもたらします。鬱の症状とは真逆ですね。この作用により、うつ病のリスクが低下するのではないでしょうか。
コーヒーでうつ病は治らない
しかし、コーヒーはうつ病の薬ではありません。うつ病の人がコーヒーを飲んだら鬱病が治るというものではないので、そこは勘違いしないように気をつけましょう。
仕事中のコーヒー
仕事中にコーヒーを飲むことで、うつ病のリスクを低下させると同時に、コーヒーには覚醒作用などの効果も見込めるとなれば、仕事とコーヒーの相性はとても良いですよね。
だからと言って、飲み過ぎは注意です。
研究結果でも、コーヒーを飲みすぎると逆に自殺のリスクが高まるという結果も出ています。また、欧州食品安全機関(EFSA)によると、カフェイン摂取量は1日400ml未満に抑えた方がよいという発表がありました。1杯130ml~150mlのコーヒーを飲んだとして、1日4杯~5杯程度となります。
コーヒーを飲む量やタイミングなどを考えながら、仕事に取り入れていくことで、コーヒーのプラスの効果をビジネスに活かすことができるのではないでしょうか。