蒸らしの意味
コーヒーをドリップする際に、20秒~40秒蒸らす。とドリックバッグのコーヒーの淹れ方に書いてあるのを見たことはありませんか?
蒸らしは、コーヒー粉に少量のお湯を注いでから、一定時間待つことで行います。コーヒー粉にお湯が染み渡っていく様子を眺めながら待ちます。
始めからドバドバとお湯を注ぎ続けてはいけません。なぜか?何のために蒸らしを行うのか?
ひと言でいうと「コーヒーの成分を抽出しやすくするため」です。
なぜ、蒸らすと成分が抽出されやすくなるのか?
コーヒー豆を挽いた表面には、目では見えませんが、小さな空洞がたくさん空いています。これは生豆を焙煎することで起こる現象です。
空洞の中には何が入っているのか?
焙煎することで、たくさんの空洞が作られます。その空洞の中には「炭酸ガス」と呼ばれるガスが入っています。
その証拠に、焙煎したてのコーヒー粉にお湯を注ぐと「モコモコモコ」と膨らみます。あの膨らみは空洞の中にお湯が入ることで、炭酸ガスが空洞の外に押しやられることで起こります。
蒸らしでコーヒー成分が抽出される理由
挽かれた豆の表面にお湯が触れることで、コーヒー成分が抽出されます。蒸らしをしている時に、お湯がゆっくりと空洞の中に入ります。それによって豆全体にお湯が触れることになります。
そして蒸らし後に1投目のお湯を注ぐと、スムーズ空洞の中にお湯が入り込むことができます。蒸らしによって、お湯の通り道が作られるイメージですね。
これにより、コーヒー粉全体にお湯が行き届き、成分が抽出されやすくなるという仕組みです。
蒸らしのベスト時間は?
では、蒸らす時間はどのくらいがベストなのでしょうか?
正直20秒や30秒の蒸らしを比べてもハッキリと味の違いは分かりませんでした。
実験
蒸らし0秒と1分で味を比べてみました。
蒸らし0秒の場合
薄めのコーヒーが出来上がりました。若干酸味が強いように感じます。味は薄めであまり美味しくありません。
蒸らし1分の場合
苦みが強めのコーヒーが出来上がりました。渋みというか雑味を感じます。嫌な感じの後味が残ります。美味しいコーヒーとは言えませんね。
このことから、蒸らしが短いと酸味が際立ち薄味で、長いと苦みと同時に雑味も際立つということが言えます。
どちらも美味しいとは言えないコーヒーになってしまいます。よって、先人たちが長年のコーヒーの歴史の中で生み出した、20秒~40秒という蒸らしの時間に従って淹れた方が良いですね!
では、今日も蒸らしてコーヒーを飲みましょう!