焙煎とは何か?
焙煎とは英語でローストと呼び、コーヒー豆を煎ることを言います。
コーヒーの豆を想像してみてください。
どんな色や香りの豆を想像しましたか?
おそらく焦げ茶色で、いい香りをイメージしたのではないでしょうか?
実は今想像したそのコーヒー豆は焙煎後の豆になります。コーヒー豆はそもそも、コーヒーノキになるコーヒーチェリーから作られます。

このさくらんぼみたいな果実がコーヒーの実です。これを収穫し、精製・脱穀などの処理を行って、生豆の状態になります。

薄いグリーンですね。香りはあなたがイメージするようなコーヒーのいい香りではなく、青臭いニオイになります。この生豆を焙煎することで、茶色で香ばしい珈琲アロマを体験できるようになるわけです。
焙煎の度合い
大きく分けて3つの焙煎度合いがあります。
- 浅煎り
- 中煎り(ちゅういり)
- 深煎り
浅煎りほど焙煎時間は短くなり、深煎りほど長くなります。さらに、それぞれを細かい焙煎段階に分けることができます。
1.浅煎りの種類
浅煎りにはライトロースト、シナモンロースト、ミディアムローストと呼ばれる焙煎度合いがあります。
- ライトローストとは
焙煎の度合いの中で最も浅煎り。生豆の緑が抜けて色は黄色を帯びた茶色。 - シナモンローストとは
シナモンの色に近いことからシナモンローストと呼ばれる。 - ミディアムロースト
栗色のような茶褐色。珈琲の香り感じることができるようになる。
浅煎りについてより詳しく見る→【焙煎度合い】浅煎り
中煎りの種類
中煎りにはハイロースト、シティロースト、フルシティローストがあります。
- ハイローストとは
ミディアムローストより茶色が濃くなる。コーヒーの香りも強くなる。 - シティローストとは
ミルクチョコレートのような色。香りがより一層香ばしくなる。 - フルシティロースト
色は黒に近い、こげ茶色。麦のような穀物のような香ばしい香り。
浅煎りについてより詳しく見る→【焙煎度合い】中煎り
深煎りの種類
深煎りにはフレンチロースト、イタリアンローストがあります。中深煎りのフルシティローストが深煎りに分類されることもある。
- フレンチローストとは
色は黒に近い茶色でチョコレートのような色。焦げたような香りが漂ってくる。 - イタリアンローストとは
色は茶色よりも黒に近くなる。焦げたような香り。
浅煎りについてより詳しく見る→【焙煎度合い】深煎り
生豆焙煎中に何が起こっているのか?
生豆を煎るとどういう段階を経て、あの香ばしいコーヒー豆になっていくのかを見てみましょう。
- 水分が抜ける
生豆を焙煎しだすと、水分が抜けて、緑色がだんだんと白っぽくなっていきます。 - 豆が収縮し、シワができる
さらに熱を加えると豆が収縮します。色は薄い茶色へと変化していきます。 - 豆が膨張する(1ハゼが起こる)
収縮した豆にさらに熱を加えることで、今度は膨張してきます。そしてパチ!パチ!と豆が弾ける音がします。これを1ハゼと呼びます。 - ハゼ音は落ち着き、シワが伸びで豆が膨張
1ハゼが終わると、少しの間音がしなくなります。 - 2ハゼが起こる
再び、弾ける音がします。1ハゼのようなパチパチではなく、ピチピチと細かく小さな音になります。 - 表面から油脂分がにじみ出る
表面がテカテカになり、ツヤが出ます。
以上のように、焙煎中に豆が変化していきます。その中で、先に述べた焙煎段階を踏んでいくことになります。
1ハゼ、2ハゼを基準に焙煎度合いを知る方法
焙煎度合いであるライトロースト、シナモンロースト、ミディアムロースト、ハイロースト、シティロースト、フルシティロースト、フレンチロースト、イタリアンロースト。
これらは、どのタイミングで焙煎を止めた場合に出来上がるのか?
1ハゼと2ハゼを基準にすると分かりやすくなります。
1ハゼが途中…シナモンロースト
1ハゼ終了時…ミディアムロースト
1ハゼと2ハゼの間…ハイロースト
2ハゼが始まった時…シティーロースト
2ハゼの途中…フルシティロースト
2ハゼ終了時…フレンチロースト
2ハゼ終了後も加熱…イタリアンロースト
焙煎ってとても奥が深いですよね。どのタイミングで焙煎を止めるかで味も変化するので焙煎士の腕が試されるところです。何度も焙煎を繰り返し、習得していく技術だと思います。