コーヒーの甘みはまったく甘くない!?
昔、インターネットでコーヒーを購入しました。その時に、コーヒーの味の基準にしたのが、コーヒーチャート表でした。
苦味、甘み、香り、コク、酸味などが1~5段階レベルで表されている表やグラフなどです。下記のようなものですね。
その頃はコーヒーには必ず砂糖を入れて飲んでいたくらい、甘いコーヒーが好きでした。そこで、選んだ基準は甘みが強いとされているコーヒーでした。甘みレベルが5段階中、5のコーヒーを買いました。
「どんなに甘いコーヒーなんだろう?」
ワクワクしながら、飲んだ記憶があります。
が、しかし…
まったく甘くありません!むしろ苦い!
え?どういうこと?とドリップバッグの袋の裏面を見ました。でも、確かにコーヒーチャートでは甘みがMAXになっています。
砂糖のような甘み想像していた私は、ガッカリしたのを覚えています。
甘みの正体は!?
では、コーヒーチャートなどでよく見かける「甘み」とは何なのでしょうか?
ひとつ言えるのは、コーヒーで表現される甘みは、砂糖のような甘みではない!と考えてしまった方が良いでしょう。
甘みを砂糖というイメージで購入すると、まったく甘くなく、昔の私のようにガッカリすることになります。
コーヒーでいう甘みとは「コーヒーチェリーが本来持っている、果実の甘み。」と認識するといいかもしれません。
コーヒーチェリーとは、コーヒーの実を収穫する際の下記のような状態のことを言います。
サクランボみたいに美味しそうですよね。そこからチェリーという呼び名が付いています。
よって、コーヒーの甘みとは、砂糖のような甘みではなく、果実の中に含まれている甘みと認識しましょう。
甘いだけのコーヒーは飲んだことがない
今まで何千杯とコーヒーを飲んできましたが、砂糖のように甘いと感じるコーヒーを飲んだことはありません。どうしても甘いコーヒーが飲みたいという人は、砂糖を入れるしかありません(笑)。
しかし、コーヒー本来の甘みを感じることはできます。
コーヒーの甘みを感じる方法
コーヒーの甘みは苦味と酸味の後ろに隠れている
と私は思っています。誰もが分かるコーヒーの味って、大きく分けると苦みと酸味のどちらかだと思います。
苦みの割合、酸味の割合で好みのコーヒーが決まってくることが多いでしょう。
実はですね、この苦味と酸味の後ろに甘みがいるんです。
例えば苦いコーヒーを飲んだ場合
口に含んで初めに訪れる味は、苦味です。そして、舌の上でコーヒーが広がった後に「甘み」を感じることができるコーヒーがあります。分かりやすいのは、甘みレベルが高いとされているコーヒーですね。
ただ、何も考えずにゴクゴクと飲んでしまうと甘みを感じられません。甘みを感じようとして、飲むことがポイントです。
コーヒーの味は二重構造になっている!?
苦味や酸味の後ろに甘みは確かに存在しています。しかし、それが砂糖のようなハッキリとした甘みではないので、感じられる人と感じられない人もいるんだと思います。
感じるためには、甘みに意識を集中して飲んでみてください。
苦味と酸味の後ろに甘みが隠れているように、コーヒーの味って二重構造になっていると感じます。初めに感じる味と、その後に感じる味の二重構造です。
表現としては「苦味の中に酸味がある」「酸味の中に甘みを感じる」ですね。
コーヒーの味二重構造の組み合わせ
- 苦味と甘み
- 酸味と甘み
- 苦味と酸味
- 酸味と苦味
- 苦味と苦味
- 酸味と酸味
豆が本来持っている味の特徴の他に、焙煎・挽き方・抽出によっても味を変化させることができます。
例えば苦味と酸味の味にするにはどうしたら良いのか?
苦味の後に酸味が来るコーヒーを味わうには
- 豆本来の味の特徴から味を引き出す
→苦味★★★ 酸味★★の豆を選ぶ - 苦味のある豆と酸味のある豆をブレンドする
→苦味が強く酸味が弱い豆に、酸味が強めの豆をブレンドする - 焙煎度合を深くする
→ハイロースト、シティロースト、フルシティローストなど - 高めのお湯で淹れる
→90℃以上の高温の場合、苦味が強調されやすくなる - ゆっくりと淹れる
→苦味とコクが出やすくなる
このように、様々な方法でコーヒーの味を作ることができます。二重構造になっていると認識しながら、コーヒーを選んだり、淹れたりして飲むと、味も2倍楽しむことができますよ。
より甘みを強調するには!?
私個人的には、下記の3つの条件が揃っていると甘みを感じやすくなると考えています。
- 豆本来の特徴として甘みが強い豆
- 苦味と酸味が弱い
- 苦味と酸味のバランスが良い
以上3つの条件を満たした上で、87℃くらいで抽出すると、甘みを感じやすくなります。
オススメの豆は「エメラルドマウンテン」です。ミディアムロースト~ハイローストくらいの焙煎で甘みを感じられやすいですよ。