2種類のブレンドの仕方
種類の異なる豆同士をミックスすることを「ブレンド」と言います。いわゆるブレンドコーヒーです。
ブルマンブレンドというコーヒーであれば、ブルーマウンテンと他の豆をブレンドしたことを意味しています。※ブルーマウンテンの配合比率が30%以上である場合、ブルーマウンテンブレンドと表記できます。
ちなみにブレンドせずに、1種類の豆で淹れて飲むコーヒーが「ストレート」です。
ブレンドの方法は大きく2種類に分けることができます。
- アフターミックス
- プレミックス
それぞれ豆をいつブレンドするかがポイントになります。
アフターミックスとは
アフターは日本語で「あとの」「あとに」という意味ですよね。
では、何のあとにブレンドするのか?
それが「焙煎」になります。つまり、「焙煎の後」にブレンドする方法をアフターミックスと呼びます。
メリット
アフターミックスであればそれぞれの豆ごとに焙煎ができます。例えば、中煎りで焙煎した豆と深煎りで焙煎した豆をブレンドできるということです。
それにより、個々の豆の特徴を生かして焙煎することができ、表現できる味が広がります。
プレミックスとは
勘のいい方ならもうお分かりですよね?
そうです「焙煎の前」にブレンドする方法をプレミックスと呼びます。
ちなみにプレは日本語で「あらかじめ」「~の前」という意味です。
メリット
焙煎が一度で済みます。
…これってお店側のメリットですね(苦笑)。
ブレンドコーヒーは完璧なブレンドコーヒーなのか?
私が以前考えていたことです。ブレンドコーヒーって味バラバラなんじゃないの?って。
ブレンドコーヒーの比率は例えば下記のように決められます。
合わせて100%
アフターミックスでもプレミックスでも、焙煎の前後で、それぞれのパーセンテージの比率でブレンドします。大手のコーヒーメーカーなどでは一度に何百キロという量をブレンドします。
その中から200g取り出して袋に詰めたり、10gのドリップバッグとして1杯分ずつ詰めるわけです。
そこで疑問が生じます。
そのブレンドコーヒーは完璧なブレンド比率なのか!?と。
ブレンド比率の検証
下記のブレンドのイラストを見てください。
濃さの違う3種類の豆をブレンドした状態です。
この中から、必要な量の豆を取り出して袋詰めします。
無作為に三ケ所を○で囲みました。それが取り出す豆と想定してください。
○の中の豆の種類はそれぞれ同じ比率でしょうか?
バラバラですよね。
BB弾で完璧な比率にするのは不可能に近い
BB弾って知っていますか?
サバイバルゲームなどの弾になる直径6mmくらいのプラスチックの丸い玉のことです。白、黒、オレンジ、緑、黄色など様々な色があります。
こんなのです↓
https://search.rakuten.co.jp/search/mall/BB%E5%BC%BE/
1,000発のBB弾を同じビニール袋に入れるところを想像してみてください。白300発、黒200発、オレンジ200発、緑200発、黄色100発を入れます。
そして、それを混ぜます。ぐるぐるぐるぐるかき混ぜます。
そこから3回100発のBB弾を無作為に取り出します。
さて、BB弾の比率は3回とも白30発、黒20発、オレンジ20発、緑20発、黄色10発になっているでしょうか?
ほぼありえないですよね。白が多かったり、黄色が入っていないこともあるかもしれません。さらに3回とも比率はバラバラの可能性が高くなります。
これと同じことがコーヒーのブレンドでも言えるのではないでしょうか。
つまり、ブレンドの比率はお店側が意図した比率を完璧に再現している可能性は少ないということです。多少なりとも豆の比率は変わってしまいます。
同じ種類のドリップバッグなのに、それぞれ味が違うなんてことも起こる可能性も無きにしも非ずです。
第3のブレンド方法「ワンドリンクミックス」
完璧なブレンド比率で提供するにはどうしたら良いのか?
そんな方法あるの?
あります。
1杯分ずつブレンドすれば良いのです。
これをワンドリンクミックスと言います!
ちなみに私が勝手に名付けました。googleで検索しても「ワンドリンクミックス」という表現は出てきません(笑)。
1杯分ごとにブレンドすることで、BB弾のようにブレンド比率がバラバラになることはなくなります。まさに完璧なブレンド比率でコーヒーが提供できるというわけです。
時間がかかり過ぎるワンドリンクミックス
ワンドリンクミックスでは、1杯分ずつしかブレンドコーヒーを作ることができません。
やってみて思ったのが、恐ろしく非効率的なブレンド方法でした。プレミックスした豆と挽くまでの時間を比べてみましょう。
プレミックス
- メジャーカップでコーヒー豆をすくう
- ミルに豆を投入
- 終了
およそ4秒。
ワンドリンクミックス
- 豆Aをデジタルスケールで計量
- 豆Bをデジタルスケールで計量
- 豆Cをデジタルスケールで計量
- それぞれの豆をミルに投入
- 終了
スムーズに行っておよそ38秒。計量で調整に手間取ると、さらに時間がかかります。
つまり、約10倍の時間を要します。こう考えると、お店としてはプレミックスかアフターミックスのどちらかでコーヒーを作った方が圧倒的に効率的です。特に通販の場合は1杯分ずつブレンドなんてやってられないでしょう。
そもそも、1杯分ずつブレンドしているお店なんてあるのでしょうか?
実は…あります。
ずばり当店です(笑)。
おかげさまで、手間がかかり過ぎて即日発送ができません!他のコーヒーショップでは即日発送してくれるのに、当店では無理です。
「急いでないから、のんびり作ってよ。」
という心にゆとりのあるお客様がいたら、ぜひどうぞ!